人間の欲望エネルギーっていうのは一見太陽エネルギーのように無尽蔵なもののようだが、それを社会的にいっぱい引き出そうとするには何かと問題も多い。そこに住む人達から欲望エネルギーを効率的に取り出すには、社会を階層化し、放っておけば下の階層に滑り落ちるような構造を作り出し、「サクセスして上の階層へよじ上りたい」「今の生活を手放したくない」といった形でエネルギーを引き出すのが効果的だ。だから社会は階層化される。公平な競争の実現で公平な社会になるっていう理屈の公平というのは、皆が統一ルールの元で戦うという意味であって、結果的に同じような水準の生活ができるとか誰もその競争内でハンディキャップを負わないとかそういうことではない。むしろそういうスタートラインや装備の格差は広がる。そういう階層差がないと競争自体への動機付けが弱まるからだ。社会としては「戦って勝つしかない」とたくさんの人に思ってもらわないとエネルギーが抽出できない。