たとえばお金とかの、定量的に評価可能な尺度を使って自分のがんばりを評価しながら生きるっていうのは、日々の足取りを力強くするには有効なアプローチになる。資産やら点数やらが数字で出るおかげで自分のがんばりが可視化できるようになり、「やってることは無駄じゃない」というやりがいにつながるからだ。マッチポンプといえばマッチポンプだが、この方式によって得られる一番重要なものはたいていの場合行動へ向かうエネルギーそのものであるのでそれはまあいい。

問題は、そんなふうに尺度を一つ決めてしまうということのとりこぼしの大きさにある。ホリエモンが非難されるのもその取りこぼし部分を叩かれているのだ。でも、それでも、そんなふうに一つの定量的尺度を自分の中心に据えるというアプローチは依然として魅力的である。私も含めた、やりがいに飢えている人たちにとっては。