本の片付けをしていてなんとなく開いた「健全な肉体に狂気は宿る―生きづらさの正体 (角川Oneテーマ21)」におもしろい記述があった。

悲劇の条件には二つあって、ひとつは"I must go"、ひとつは"It is too late"だと中学生のときに習ったことがありますけど、これは未来も過去も変更の余地がないということですよね。現在に繋縛されていること、それが悲劇の条件なんです。

未来は予測不可能なものだし、過去の経験の評価というものもすべては文脈依存のものでしかないから新しい経験一つで過去の評価がひっくりかえることもある。過去も未来も今描いているものから変化するものなんだ、というある意味ゆるい認識が精神の健康のために必要なのだ。