グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)」を読む。グーグルについては「サービスの質や開発力はすごいけど、収入源がほぼ広告収入だけっていうのが弱くない?やっぱりサービスで利用者から直接お金が取れないと、すぐ成長の限界に達してしまうんじゃない?」って印象を持ってたけど、この本を読んでグーグルの広告モデルの強力さと可能性を感じた。今ある広告業界のパイを大きく持っていくって形じゃなくて、新しい広告需要を掘りおこして成長していきそうだな。それはもう広告というより、ニーズとニーズをカップリングさせる仲介業とでもいうような仕事になるのかもしれないけど。

今のグーグルの仕事をおおざっぱに要約すると、

  1. 企業からのニーズをいっぱい募集して、貯めておく(広告を募る)
  2. 一般ユーザーに便利なサービスを無料で使わせる
  3. そのサービスを使わせる中で得られるユーザーの個人情報(○○について調べている、等)に基づき、ユーザー側のニーズを推測。
  4. ユーザー側のニーズに合いそうな企業側ニーズを広告として表示させる
  5. ユーザーと企業のニーズがうまく噛みあい、アクセスがあったなら企業から広告料をいただく

といった感じになるか。

この構造が今後どのように変わりそうか妄想。なんとなく、広告主に顧客を引き合わせるっていう非対称な構造から、ニーズAとニーズBを引き合わせる、っていう対照的な構造になっていきそうな気がする。企業側、ユーザー側っていう区別がなくなったら誰からどうやってお金とるんだっていう問題になるけど、そっちのほうが構造としてきれいだし。ユーザー側が便利にサービスを使ってるだけなのに意識せず個人情報を提出してるっていう鮮やかさなのに対して、企業側の広告登録っていうのはなんか泥臭すぎるような気がする。GoogleOfficeで仕事してたら、勝手に最適な広告をしてくれるとか?でも勝手に出された広告で広告料払わされたらかなわんな。