99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)」を読む。飛行機がなぜ飛ぶのか本当はまだよくわかっていないだとか、精神病患者の脳の一部を切り取っておとなしくさせるロボトミー手術が副作用ありまくりにもかかわらずノーベル賞をもらってたとか、この本の中でたびたび紹介されている、今までの常識がくつがえされてきた事例がおもしろかった。科学のすべては仮説であり、いつ覆るかわからないというというテーマは今まででも分かってたつもりではあるけど、これだけダイナミックな実例とともに示されるとよりその切なさが真に迫ってくる。

タイトルの「99.9%は仮説」だが、残りの0.1%は何のつもりで作者は書いたのだろう?本文からは「残りの0.1%も仮説」といってるようにしか思えないのだが。なんだろう。うーん。

数学や論理学も仮説?これももし仮説だとすると、「反証が見つかりうる言説は真実ではなく仮説である」っていう仮説の定義自体がくずれてしまうので、仮説であるとは言えないよな。だったら、残りの0.1%は「定義」かな。もっとも、数学や論理学だけでは世の中の実際の問題を問題を考えるのに使えないから、そこに「真に厳密とはいえない観測データ」や「今の科学でシロとされている仮説」なんかを演算対象としてもってくることになる。結果としてわれわれの考えることの99.9%は仮説になると。