小説を読むことや映画を見ることは、ネットサーフィンすることやエロを観ることなんかに比べてやりはじめるまでがおっくうに感じる。これらの違いはどこにあるのか考えてみた。前者のグループはやりはじめる前の段階ではどんな効用が得られるのかはっきりしていないが、必要な時間コストは比較的はっきりしている。一方後者のグループは逆に効用がわりとはっきりしている(好奇心や性欲が行為に先立ってある)のに対し、必要な時間コストははっきりしない。一方はパフォーマンスが、もう一方はコストが不確定なので単純にどちらが有利というわけではなさそうだが、実際は後者ばかりが選ばれてしまう。

これって、行動経済学にあった「人々は利得に関してはリスク回避的、損失に関してはリスク追求的である」っていうことの現れじゃないだろうか。人間の一般的な性質としてそういう傾向があるというんなら、ある程度心がけて「効用不定、コスト限定」な行動も選んでいかないと成長の機会とかが失われそうだ。人と会って話をするとかもこっちに分類されるだろうし。

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

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