ドラッカー入門
えらく広範囲の内容がばらばらの細切れになって詰まっている感じ。1冊の本を読み終えたって感じがあまりしない。ドラッカーは学問分野じゃなくて1人の人間なんだから、1冊の本にまとめるとなればこうなるのは当然なのかも。
組織重要。世の中動かしてるのは国家や企業のような大小の組織。いくらネットが個人をエンパワーするようになってきたといえど、依然として主役は大小の組織。身体能力の高いゲルマン人にローマ兵が戦闘で勝てたように、能力の高いバラバラの個人よりも、しっかりと目的に向けて組織された凡人たちの方が強い。そんな組織の力同士の均衡点としての世の中には、多少能力が高くとも個人はほとんど影響を及ぼせない。そこに何か影響を与えたかったら、自分も組織に属するか組織を作るしかない。だから、主体的に、自由に生きたければ「社会の中の自分」「組織の中の自分」という視点を外すことはできない。身体感覚や感情としての幸福だけを求める「個人としての自分」という視点だけで生きていては世の中に翻弄されてしまう。
個人←→組織←→世の中 ↑____________________|
個人としての自分は目的でなく幸福を求め、その幸福はいろんな欲求をバランスよく充足させることにある。たぶん。対して社会の中の自分は目的の遂行とそのための資源の集中を求める。組織が目的のための存在だから。ドラッカーさんはこの社会の中の自分というものがどう立ち回ればよいのかをいろいろ話してくれてるのだな。もうちょっと他の本も読んでみたい。
- 作者: 上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/09/23
- メディア: 単行本
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