ラジオ版学問のススメ 清水真砂子さん(翻訳者、児童文学研究者)

どういう児童文学がいいものかって言う話で、「10歳ぐらいの子供たちには、生きるって素敵だよ、人間って素敵だよ、世界ってこんなに不思議だよってことをどんなに言っても言い尽くせないと思う。それでないと、子供って生きにくいと思う。小さいときには小さいほど怯えてしまう。そういう子供に向かって、そういうものばかりじゃないよ、と人生に向かって後押ししてあげる。それが児童文学の使命だと思うんです。」というようなことを言っておられた。

児童文学はポジティブでハッピーでなければいけないって話はよく聞くけど、その根拠に子供が子供故に生きにくくて怯えている存在だからだっていうのは共感できた。そうだった。子供は無力で不安でストレスフルな毎日を送っているもんだった。なにも子供たちにはハッピーな話だけを聞かせて、次の世代でハッピーな世の中にしましょうって話じゃないんだな。そういう政治的な話には多少反発を覚えるところもあるけど、そうじゃなくて今生きにくくとも生きている子供たちに実用上の理由で楽しくハッピーな物語を与えましょうというのなら大賛成だ。

いつも俺が遊びにいくと怯える友達の家の子供ももっとかわいがってやらないといかんな。俺がしょんぼりしてどうする。