ラジオ版 学問のススメ 野田稔さん(多摩大学経営情報学部教授)
組織論を研究している教授。話の構成が上手だった。
- 放っておくと悪いことをしたり生産的でないことをする人間たちの間にルールを作り、恊働するしくみを作るのが組織論。
- 組織の定義は「目的を持った集団」。目的がなければ人が集まってても組織ではない。
- 現在の日本は国民全体が共有している目的というのはなさそうだから、どうも組織とは呼べそうにない。
- 高度経済成長期、戦争中なんかは日本が組織として存在していたと思われる。
- 期待をかけることは成果を出させる上で効果的。
- ピグマリオン効果。ランダムに抽出した2つの子供の集団をそれぞれ1年間別の教師が指導する。このとき、一方の教師にだけ「あなたが受け持つ子供たちは、特殊な算数のテストにパスした特別な数学的才能の持ち主たちです」と伝えておくと、一年後にはそっちの集団の算数の成績の方が高くなっている。
- モチベーション管理
- 金銭的報酬で釣るのが正道だが、それだけではない。さらに、報酬は慣れてしまう。
- 認知と賞賛が重要。やってることを認めてあげ、うまくいったら褒める。
- やる気が出やすい仕事の設計
- 技能多様性。幅広い技能を要求されること。
- タスク重要性。その仕事が重要であると自他が認めていること。ディズニーの掃除夫なんかは徹底的にこれを叩き込まれている。
- タスク完結性。でかい仕事のフローの一部でなく、ある程度分かりやすい成果が出ること。
- 自律性。自分でやり方を工夫できること。
- フィ−ドバック。できたかできなかったが自分の目で判断できること。
- 5つまとめると、「クリエイティブであること」?
- リーダー論
- 変革のリーダーとして望ましいリーダー像
- 変革することそれ自身を目標とする
- 壊すことを恐れない
- 変革に従ってくる人のみを重用する(あくまで変革時、変事対応時のみ)
- 変革後のすばらしい状態のビジョンを大きく掲げる
- 平時変事にかかわらず、ビジョンの提示がリーダーの大きな役目
- みんなでリーダーシップを分かち合う、コネクテッドリーダーシップという形態もある
- 30名が指揮者なしですばらしい演奏をするオルフェルスオーケストラの例。皆がビジョンを共有し、徹底的にコミュニケーションを取っている。個人個人がその時の状況を判断して自律的にビジョンのために動ける。
- 変革のリーダーとして望ましいリーダー像
- 学問をするのだって仲間がいたほうがいい。でないと辛い。このように社会の中で行う様々な行動に組織が絡んでくるのだから、組織論は多くの人にとって重要。