エロゲやってみた

エロゲーはハマると厄介だから手を出さないほうがいいだろうと思っていたが、好奇心と性欲に負けてプレイしてしまった。この罪悪感と期待が入り混じった感じ、初めてタバコを吸った時みたいだ。木の枝一本を見て森を語るような行為ではあるが、初プレイ時の感想&違和感メモ。

主人公を楽しませようとあれこれちょっかい出してくる個性豊かな他キャラクターに対して、主人公はとことん受身であって楽しく状況に流されている。他キャラはサービスの提供者であって自キャラはサービスの消費者であるという構図であり、対等な個人ではないように見えて気持ち悪い。その根拠として他キャラが自キャラに抱いている好意があるようだが、その好意の根拠があまりにも分からない。つまりはソフトの代金?

つまりは、主人公が特別な「世界の消費者」「世界のお客様」みたいでなんか嫌なんだ。あんまりそういう自意識の影響を受けたくないという意識が働いて気持ち悪さを感じる。そういえばケータイ小説を読んでみたときもそれと似た気持ち悪さを感じた。ケータイ小説の方は「私が」ではなく「私たちが」世界のお客様であるという感じだったけど。

これらの違和感はファンタジーにマジレスなんだろうか。「魔法とかありえないし。どういう原理だよ。」とかその類の突っ込みになるんだろうか。でも私は魔法が使えたりドラゴンがいたりといったような世界のしくみに関する虚構には違和感がなくても、エロゲーのような、こんな娘やこんな娘があんなことしてくれたらいいなあという他人のあり方に関する虚構には違和感を感じる。

エロ部分に関しては正直すごいと思う。すごくきれい。アニメ絵で興奮なんてできるかとはとても言えない。でもこれで性欲を満たし続けるのはなんか怖いなと思った。性欲というものが「きれいな裸を見たい欲」とでもいうものに変質しそうだからだ。この性欲をすりかえてしまうのは損な行為だと思う。性欲からは行動力や勇気のようないろんなエネルギーが取り出せるが、きれいな裸を見たい欲からはそういったものが取り出せそうにない。満たされる快楽が同じだとするなら、生の性欲を持っていたほうが良さそう。