罪と罰

論理だけ研ぎ澄ませていってもうまくいかないぞ、隣人愛と信仰がなくちゃね、という話だと読んだ。ラスコーリニコフとスヴィドリガイノフは「オレにとって何が大事かはオレが決める、オレだけで決めるんだ」っていう立場を取ってて、自分の感覚が好むものだけから成る理想を定義し、それを実現する論理を組み上げていった。そういう理屈はたいてい自分自身に超人であることを求めるが、自分自身の能力も他人の為すことも実際には思い通りにいかず、ついにはクラッシュする。

「えー、でももしラスコーリニコフが本当に超人的だったら問題なかったんじゃね?問題は能力不足であって自分一人で理想を組み立てることじゃないでしょ」という疑問に「いやいややっぱり能力のレベルの問題じゃないよ」って答えてるのがデスノートかな。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

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