いつまでもデブと思うなよ

まず、ダイエットの本道を運動ではなくカロリー制限に置いてあることが新鮮だった。ダイエット法に関して詳しいわけではないけど、なんとなく食事をいじるダイエットは不健康で運動をするダイエットは健康的だっていうイメージがあったので。

その根拠として、食生活の変更は、自分自身の感覚を変化させていくことで、最終的には我慢や努力や時間といったリソース消費なしで目標の生活が維持できるようになるから、といったことがあげられる。運動はいついかなるときでも自然と実行できるという境地にたどり着くのが難しいし、仮にそこにたどり着いても生活から時間を奪うことは変わりない。だからどこかで元の生活に戻る、つまりダイエット終了、ということが起こってしまうということだ。それに対して食生活の改善は、味の好みや快適な満腹度の変化を起こしてしまうことで、健康的な生活がもっとも自分にとって快適で楽な生活になり、ダイエット前の生活の方が努力を要する生活になる、レーンチェンジを果たすというゴールが存在する。

で、そのゴールまでどうやって生活を変化させていくかという方法論だけど、これがダイエット以外にも適用できそうな汎用的なものを提案している。

  1. すべての記録を愚直に残し、現状を正しく可視化する
  2. そこから見える明らかな無駄を取り去る

これを「ゆっくりと段階的に」実施すること。記録をとり始めるとすぐに、これは無駄だと分かるような行動が目に付くようになるけど、すぐにそれを改善しようとするんじゃなくて、むしろできるだけ我慢せずに記録だけきちんとするようにする。そうして目を背けたくなるような「駄目な状態の記録」をまずはきっちり作りこみ、記録の習慣をしっかり身につけることが大事だと。改善はその後。

この方法論、家計簿をつけて家計を改善するのと同じアプローチよな。で、家計簿はすでに倹約の基本としての地位をしっかり築いてるところから見ると、実行したときの効果は期待できそう。

この方法論をなんとか時間に応用したいと思う。○○するのにどれだけの時間を使った、っていうような記録をきっちり取るのはお金の出入りや食事の管理よりだいぶ難しそうだ。なんせ時間はノンストップで常に消費してるしな。記録の精密さとしては家計簿や食事メモにだいぶ劣るけど、やっぱ日記を書くことかなあ。



いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

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